済生会はグループ全体で404施設、うち病院・診療所が101、職員数6.4万人を要する日本最大の社会福祉法人です。済生会の始まりは1911年、明治天皇の「恵まれない人々のために施薬救療事業を起こすように」というお言葉から、御下賜金とともに全国からの寄付を集めて創設されました。初代会長は桂太郎、役員には山縣有朋、大隈重信、渋沢栄一、板垣退助などの明治の重鎮が名を連ね、済生会中央病院の初代医務主管には熊本出身の北里柴三郎が任ぜられています。
熊本県済生会は資産家や官界から支援を受けて、1935年(昭和10年)に恩賜財団済生会熊本診療所として、ささやかな出発をしました。その後、幾多の戦乱そして敗戦をくぐり抜けたものの昭和30年代には資金繰りの悪化で倒産寸前まで追い込まれました。しかし、当時の院長はじめ幹部の血のにじむような苦労と献身的な努力で逆境を跳ね返し、見事に再生しました。
1995年(平成7年)に長年診療を続けた段山の地を去り、熊本市南部の近見へ新築移転しました。「医療を通じて地域社会に貢献する」という理念のもと、救急医療、高度医療、地域医療と予防医学、医療人の育成の4つの基本方針を掲げ、急性期医療に邁進してまいりました。地域の信頼を得ながら連携医療を進め、医療の質向上に注力し、2013年、世界で最も厳しい国際的医療機能評価であるJCI(Joint Commission International)の認証を西日本初、公立病院でも初めて取得しました。
済生会みすみ病院は旧国立療養所みすみ病院を引き継ぎ、2003年(平成15年)に開設されました。医療・福祉を通じて安心できる地域作りを理念とし、救急医療、地域医療、生活支援を基本方針に,この地域になくてはならない医療を提供しています。
済生会熊本福祉センターは2004年(平成16年)に開所し、障害者への多種多様な自立支援を目的に多くの施設を運営しています。障害があっても社会の一員として自立して生きていけるよう支援活動を行っています。
支部熊本県済生会は急性期から亜急性期、そして介護、福祉までカバーし、地域包括ケアシステムを完成させ、この地域に住む方が安心して暮らせる、そんな仕組みを目指しています。